「俺は・・・」

「おっじゃまっしまーす」

「離してよ!」

「分かったから、落ち着いて
 千夜の事あんま怒らせんな」

「やだ!離して!」

『千夜、夏梅お帰り。
 ご苦労様』

「ほんとだよ〜
 この子なかなか落ち着いてくれないからもうそろそろでキレそうだった
 だ〜か〜らぁ〜っ!蓮ぎゅー!」

「おい千夜・・・」

「なぁに〜?
 もしかして涼浪と夏梅嫉妬してるの?」

「ちげーよ」

「千夜もいい加減蓮離れしなね」

「えぇ〜、涼浪と夏梅のイジワル」

『千夜、ちょっと離れて
 これから会議だから俺行かないと』

「それなら、しょうがないけど・・・
 ねぇ蓮・・・腕、僕のせい?
 僕達が蓮のこと怒らせたから腕怪我したの・・・?」

『大丈夫だよ、千夜。
 昔の癖が出ちゃっただけだから、千夜は気にしないで?千夜はもう千夜だけの千夜じゃないんだから。
 千夜を慕って千夜を尊敬してる人達がいる。だから、千夜はそんな顔しちゃだめだよ。』

「うん・・・分かった!」

『遥海、手荒な真似してごめんね。
 緊急事態だからしばらくここで組員と話すなり何なりしてて
 その内、敦桐(あつぎり)が呼びに来ると思うから。
 これから緊急時対策会議を始めます。各役職のトップは天竺牡丹(ダリア)に来てください
 それから、個人名を呼びます。その方々も移動願います。
 千夜、夏梅、霧、冬弥
 ・・・
 以上です。宜しくお願いします』

「あの、蓮」

『なに?』

「ううん、やっぱりなんでもない
 引き止めてごめん」

『そう?
 なんかあったら遠慮なく言ってね
 あそこにいる組員にはお菓子食べたいって言ったら部屋から大量に持ってくる奴とか、つまんなければTVゲーム持ってくるやつも居るから、喋ってみると結構面白いよ。
 それと』

「何?」

『最初はツンデレだけど、喋り始めると卑猥な事しか言わないやつもいるから気をつけてね』コソッ

「うっ」

『じゃあ行ってくる
 いい子にしててね』ちゅ

「あ~、ずるい〜!
 千夜も〜!」

 ゴン

「千夜、いい加減にしろ」

「はーい」
 +++遥海side+++

 母親と会って家について荷物を置いたとき、呼び鈴がなった

『どちら様でしょうか。』

「千夜と夏梅で~す」

 今度はあの煩いのが来た

 ガチャッ

『何?』

「今すぐ荷物まとめろ
 5分後に出るぞ」

 千夜の顔が声が学校で見たときとは違った

 下に人が居るって人はこんなに真剣になれるのかな

『理由は?』

「そんな時間ない
 早くして」

『理由分かんないからやだ』

「あっそ
 夏梅、もう連絡してあるよな」

「してある、多分4,5分でつくと思う」

 なんの話してるんだろう

「じゃあ決まり
 行くよ」

「暴れないで、大人しくしててね」

『何?触らないで!
 やめてってば!』

「君煩い
 だから女って嫌い
 いちいちギャーギャー騒ぎやがって
 可愛いと思ってやってんのかしらんけど、ちょっとは黙れよ」

「夏梅、急ぐよ
 遥海もほんと黙ってね」

「走るぞ」

 そう言って千夜にあたしを渡す夏梅

『何すんのよ』

「煩いなぁ、僕の事殴ったりしないでよね」

『なにを!
 きゃぁ』

「ほんと煩い
 落とされたくないなら大人しくね
 夏梅行こ」

「おう」

 そう言って走る2人
 なんでこいつあたし抱えながら普通に走ってんの・・・

 ***

「はいとーちゃーく」

『城島・・・組』

「ピンポーン、今からこの中に入ってもらいまーす!」

『やだ!』

「おっじゃまっしまーす」

『離してよ!』

「分かったから、落ち着いて
 千夜の事あんま怒らせんな」

『やだ!離して!』

「千夜、夏梅お帰り。
 ご苦労様」

 蓮だ・・・

 今日は早退したのにこっちには居るんだ・・・

「ほんとだよ〜
 この子なかなか落ち着いてくれないからもうそろそろでキレそうだった
 だ〜か〜らぁ〜っ!蓮ぎゅー!」

 私には、何も言ってくれなかった

 千夜とか夏梅とかの事のほうが大事なのかな・・・

 それに、目、合わない・・・

「遥海、手荒な真似してごめんね
 緊急事態だからしばらくここで組員と話すなり何なりしてて
 その内、敦桐(あつぎり)が呼びに来ると思うから。
 これから緊急対策会議を始めます。各役職のトップは天竺牡丹(ダリア)に来てください
 それから、個人名を呼びます。その方々も移動願います。
 千夜、夏梅、霧、冬弥
 ・・・
 以上です。宜しくお願いします」

 蓮が違う人みたい

 表情も、雰囲気も、わかるとこ全部違う

 千夜達が、蓮を慕うのはこういう事なのかな・・・

 ---遥海sideend---
 +++さとるんside+++

 重役の方たちと蓮さん冬弥さん達が会議をやり始めて軽く1時間半はたった

 俺を含め5、6人は仕事が終わったため暇を持て余してる

 それは、彼女も同じ様だ

 さっきまで課題をやっていたためそれなりに時間を潰せていたようだが今はもう何をしたら良いのか分からないという顔をしている

 そうだ、お菓子持ってきて話しかけてみよ。

『彪我(ひゅうが)俺部屋行ってくる』

「おう、こっち任せとけ」

『サンキュー、すぐ戻る』

 お菓子〜お菓子〜

『るんるん るんるん』

「ぶべ」

『あっごめん、大丈夫?』

「大丈夫です
 すみません智(さとる)さん」

『俺はいいんだけど涼浪ここで何してたの?』

「ちょっと考え事を・・・」

『そうなんだ
 何考えてたの?』

「蓮の事考えてました
 なんであんなに頑張るのかなって」

『ん〜、蓮からしたら”頑張る”じゃないと思うんだよね
 確かに俺達からしたら、頭に任せればいいと思うとこもあるけど、蓮からしたら自分が大切な人を守るためにしてる事だと思うんだよね』

「なるほど・・・
 なんか今まで聞いた答えの中で一番しっくり来ました」

『あっそお?それなら良かった
 じゃぁねぇ〜』

 バンッ

 どのお菓子持ってこうかな・・・

 女の子だからチョコパイ?それとも飴ちゃん・・・


 ***


『彪我ありがと!戻った!』

「随分おそかっt・・・何そのお菓子の山
 なんでそんなに持ってきたの・・・」

『ん〜?あの子と一緒に食べようと思って持ってきたんだけど、女の子の好み知らないし、自分の食べたいの全部持ってきたら結構な量になっちゃって・・・てへへ
 彪我も食べる?』

「ゆっちゃんイカある?」

『あるよ〜』

「じゃぁ食う」

『おっけー
 ねぇねぇ、七彩ちゃん』

「はい」

『一緒にお菓子食べよ?』
 ---さとるんsideend---
『これで、会議を終わります。
 長い時間お疲れ様でした。』

「蓮おつかれ〜!
 ギュー!」

『千夜おつかれ
 千夜達は言ったことさえ守ってくれれば自由に動いていいからね』

「ほーい!
 ねぇ蓮?今日の城島のご飯何かなぁ?」

『分かんね
 けど腹減ったから早く食いてぇ』

「蓮は元気だな」

「よっ、お疲れちゃん!」

『霧、風太(ふうた)おつかれ』

「俺も腹減った〜
 めーし めーし めーし めーし」

「風太も元気だな」
「ねぇ〜霧〜俺も疲れたから癒やして〜」

「冬弥重い」

『霧と冬弥って付き合ってるみたいだよな
 なんかこー、雰囲気が甘いっつーか』

「・・・蓮?
 知らないの?」

『何が?風太なんか知ってんの?』

「知ってるも何も、霧と冬弥付き合ってるよ?」

『は?
 ・・・えっ、ちょっと待って?
 どういうこと?』

「俺と冬弥恋人です。」

『・・・うそ、いつから?』

「2年ぐらい前から?」

『マジすか・・・』

「だから、冬弥と俺がこんなことしてても不思議じゃないってこと」ちゅっ

「霧、作者がBLは無理、書けないって言ってるからしないであげて・・・」

「ときと場合による」

「まじBLはやめたげて・・・」

『そうだ、敦桐〜!』

「ヘイ、蓮さんおよびでしょうか」

『敦桐変な喋り方しないでw
 遥海を応接室8に呼んでもらえる?』

「了解しやした
 な〜んて、よんでくるな」

『さんきゅー』
 コンコン

『ほーい』

「蓮、呼んできた」

『さんきゅー
 それじゃぁ遥海だけ入って来てもらえる?』

「うん」

 ガチャ

「しっ、失礼します」

『そんな固くなんなくていいよ
 敦桐連れてきてくれてありがとう
 夕飯できたら呼びに来てくれてもいいよ』

「はいはい
 分かってるよ
 成長期のお坊っちゃん」

『さっすが
 宜しくね』

「おう」

 パタン

『朝ぶりだね、遥海』

「うん・・・」

『やっぱ怖いよねぇー
 いつもと雰囲気違うし』

「そんなことない」

『そお?なら良かった』

「話ってなに?」

『そうそう、忘れてた
 遥海さ、今日お母さんと会ったでしょ』

「あっ、た、、、」

『それでさ、遥海には悪いんだけど急ぎだったから遥海の言いたくなかった事を調べた
 それで、遥海のお母さんの住所、電話番号、仕事、誰と一緒に暮らしているかとかいろいろ調べたんだけど、厄介なことに城島に牙を立ててる奴らと一緒に居ることがわかった。
 それで、城島を潰す為に動いてる事も調べでわかったってことで、しばらくは遥海に城島で生活してもらう。』

「え?」

『勝手でごめんね
 でも、前回のこともあってあそこのアパートで一人暮らしをさせるのは無理なんだ。
 だから、もうアパートも解約手続きをして荷物も城島の奴らで必要最低限の物を運んだ。
 もちろん、洋服は城島で結婚してるやつも少なくないからその女の人達にやってもらった。』

「なんで・・・
 なんで何も言ってくれないの!
 酷いよ・・・」

『うん、知ってる
 俺が酷いなんて自分が一番よく分かってる
 けど!けど、俺のミスで俺の浅はかな指示で城島を無くすわけにはいかないんだ』
 
 トン

『これが終わるまで、しばらくは我慢して
 そしたら、新しい家借りて俺の居ない新しい生活始めな』

「蓮、泣いて・・・」

 バンッ


「れーん!
 ご飯!」

『おう!今行く!』

「あっもしかして邪魔しちゃった?」

『どーだろーなー。夏梅に任せる』ニヤ

「蓮、その顔やめろ・・・」

『なんで』

「男なのにキュンキュンした」

『あっそう、ふーん
 夏梅ちゃんほんとは性別間違っちゃったんじゃない?』

「んなわけあるか!
 ベーだ!」

『はいはい、遥海行くよ』

「あっ、うん・・・」

「無視すんなよ!」

『無視してないもーん』
 ガヤガヤ ガヤガヤ

『遅くなってごめん!』

「お疲れー!」

『腹減った〜
 今日なに?』

「今日は〜亜紀(あき)ちゃんの肉じゃがと〜ゆみみんのサラダ〜、あとあと〜えりっちのモヤシの味噌汁でーす!」

『お〜、うまそ〜』

「ねぇ、蓮〜
 ちょっと遥海ちゃん借りるけど文句ないよね?」

『香澄(かすみ)さん文句あるわけないですよ』

「そぉ〜?ありがとう蓮!大好きだぞ!」

「ちょっと、香澄、俺のことは?」

「あ?誠也(せいや)はどうでもいい」

「ちょっと〜一応俺旦那!」

『誠也、俺は遥海しか好きじゃないから安心して』

「蓮・・・俺の味方はお前だけだ蓮!」

「れんー、飯こっちー」

『今行く!
 翼俺の用意しといて!』

「なんで俺が・・・
 分かったよ、用意しといてやるよ」

『さんきゅ!
 遥海』

「ん?」

『ちょっとこっち来て』

「うん?」

『ちょっと静かだな』

「どうしたの?」

『おいで』

「・・・うん」

『ごめんな、相当嫌がってただろ
 誰かを守る為には誰かを犠牲にしなきゃなんねぇ。
 その犠牲を最小限にするためには強引にでも遥海を城島に引きずり込まなきゃいけなかったんだ。
 多分、明日香澄達が遥海の洋服とか一式買いに連れ回すと思うけどさ、ちゃんとほしいのもは欲しいって言えな
 遠慮してたら由月(ゆづき)が怒るから』

「遠慮すると怒るなんて面白いね」

『ここにいる奴らは色々経験してきてるからな』

「ちょっとれん!
 遥海ちゃんの事連れてかないでよ!」

『来たw
 遥海こっち向いて』

「ん?」

 チュッ

「れんー!れっ!」

 チュッ

『香澄さん・・・久しぶりにいちゃいちゃしてるので、あんま見ないでください・・・』

「神谷の男どもは何でこう、キス魔ばっかなんだ・・・ 夕飯になるから早く来なよ!」

『はーい
 じゃぁ行こっか』

「うん・・・」

***

『翼!』

「どうした?」

『飯食ったからバスケしよ!』

「まじかよ・・・
 なんでそんな元気なの」

『腹満たされたから?』

「飯の力すげー」

『やろ!』

「おう、んじゃあやるかー」

「蓮ーーー!」

『冬弥どうした?』

「蓮に電話!
 女の人!」

『おう!今行く!』

「俺も付いてく
 んでついでに便所」

『おう』

 誰だろ

 城島の電話にかけてくるやつ

『冬弥かわる』

「俺行ってくる」

『おう
 もしもし、御電話かわりました』

〔あなたが、蓮君ね!
 こんばんは!七彩 美知瑠よ!〕

 あー、来た

 関わりたく無かった

 誰かにこうやって名前言われて1回や2回話したって存在すら忘れる俺が唯一、興味のない奴の名前を覚える機会

 別の組のやつかもしくは、俺が最も関わりたくないと思った奴

『どうも、始めまして
 遥海さんにはお世話になっています。』

「蓮戻っ・・・」

 翼、皆を集めろ

〔いいえ〜
 実はね、お願いしたいことがあって電話したの!〕

『なんでしょうか』

〔あのね、蓮くんと仲良くしたいなぁ〜なんてっ!
 ダメかしら・・・〕

『良いですよ』

〔本当に!
 ありがとぉ〜
 じゃぁ、明日から学校にお迎えに行くわね!〕

『分かりました。
 宜しくお願いします。』

〔えぇ!
 今日はもう遅いからこれで失礼するわね!
 また明日!〕

『はい、また明日』

 ツーツーツー

 お前が俺の学校に来れればな

『クスッ』
 +++翼side+++

「クスッ」

 なんで今笑った

 あの時の蓮と重なる

[お前さぁ、なにやってんの?
死ね?自分のストレス発散に弱い人間捕まえて暴力振るうとか、ふざけてんのか?くそガキ]

 今の蓮は怖い

 自分が、蓮の近くに居られるのは実力じゃねぇ

 蓮が遠い

 蓮がどんどん離れてく

 蓮の中で俺は、どんな立ち位置に居るんだろうな

「翼!」

『んぁ?どうした?』

「・・・翼
 お前、今なに考えてる」

『は?なにって?』

「翼、今自分がどんな顔してるか分かってんのか」

『どんな顔・・・』

「何かあんだったら言え
 お前今、俺と最初に会ったときと同じ顔してんぞ」

『俺、が?
 そんな顔してる?』

「あぁ」

『蓮だって、いつもと違う
俺がどんな顔してても、蓮には関係ないじゃん』

 俺何言ってんだ

「・・・あっそ
 んなら、俺はお前と行動する事やめるよ
 関係ないって言うなら良い
 すぐに、会議始める
 遅れんなよ」

『わかった』

 クソッ!

 関係ないなんて言って自分が1番近くに居たいと思った奴となんで離れること選んでんだよ!

 俺は、何がしたいんだよ

 ---翼sideend---
 翼が俺に関係ないと言うならそれでいい

 わざわざ、首を突っ込む理由も無い

 けど、俺は結構翼好きなんだけどな

「どういう事ですか!蓮さん!」

『何が?』

「翼さんのことですよ!」

『ごめん、話が見えない
 なぁ、智』

「なんですか!」

『俺って何か間違ってる?
 翼が関係ないって言ったってことは首を突っ込むなって事じゃないの?』

「蓮さんって、周り見えてるくせに自分のことは何も分かってないんですね!
 そんなんじゃ、翼さんの思ってる事なんて一生分かんないですよ!
 失礼します!」

 ・・・結局なんなんだ

「智は蓮が翼から離れて大丈夫なのかって言いたいんじゃない?」

『彪我・・・』

「話すの久しぶりだね、蓮」

『おう』

 コイツは東條 彪我(とうじょう ひゅうが)
 俺がふらふらしてたときに付いてきた1人

「最近、ぜーんぜん俺に構ってくれないから拗ねちゃうとこだったよ」

『俺が来たときにさぼってどっかで寝てるからだよ』

「あ~、確かに。
 蓮が来たときに隅っこで寝てたかも」

『まぁ、彪我の面白いとこってそういうところもあるからな』

「最近サボりすぎて遥海ちゃんの事お世話する係に選ばれちゃったからね
 俺を世話係にしたの蓮でしょ?
 俺、ああ言う純粋な子襲いたくなっちゃうよ?」

『だからだろ。
 彪我、獲物は自分で壊さないと気が済まないたちだから誰か知らないやつが近づいてきたら死守するだろ?』

「まぁ、そうだけど・・・
 でも俺が襲っちゃったらどうするのさ」

『襲わねぇだろ
 襲ったら俺が彪我に噛み付くこと見えてんだろ?
 そんな面倒なこと彪我はしねぇよ』

「あっはは!
 確かに」

『彪我はどう思う?』

「翼のこと?
 そうだなぁ〜」

『俺はどうしたらいいのかわかんねぇ』

「蓮が分かんないなら俺も分かんない」

『どういう意味?』

「蓮って気持ち悪いほどに周り見えてるからその蓮すら分かんないこと折れに分かるわけないよ」

『気持ち悪いって・・・』

「まぁ、そんな感じ
 じゃぁ俺は、部屋戻るね〜」

 俺も今日は寝よ

 明日から忙しくなりそうだし