確かに高崎さんの言う通りだろう。

世間一般から見たら私は被害者で、季龍さんたちは加害者側になってしまうだろう。

でも、季龍さんたちが加害者なんて言われても自分が受け入れられる自信はなかった。

だって、永塚組の人たちは誰1人として私を傷つけようとしない。むしろ大切に、家族の一員として加えてくれている。

本当に季龍さんたちが無慈悲であるなら、私にこんな優しさを向けないんじゃないか。

そう考えてしまうのは、私が高崎さんの言う通りバカなのかな…。

「…甘ったれのあんたに忠告よ。今すぐとは言わないけど、一刻も早くここから逃げなさい」

「…え?」

「家族の元に、…あの内藤成夜って奴のとこに帰れなくなってもいいわけ?」

「っ!?な、え?」

どうして高崎さんの口から成夜の名前が出てくるの?

それに、どうしてここから逃げることと、家族に会えなくなることが繋がるの?

頭の中ぐちゃぐちゃで、なにがなんだか分からない…。