それは今日の放課後に遡る。帰ろうと教室をでたわたしに、同じクラスの石橋晴美が寄ってきたのだ。彼女はためらいがちに、わたしに話があるといい、普段は人通りがあまりない渡り廊下へと連れて行ったのだ。

「どうかしたの?」

 彼女の困惑した表情から、ただならぬ気配を感じ取っていた。

 彼女とはたまに遊びに出かけたりする程度の、友達といっても過言でないほどの関係だ。

「あのね、昨日、偶然見かけて。それで写真を撮ったの。口で言っても信じてもらえるかわからなかったから」

 彼女はスマホの画面をあたしに差し出した。そこに移っている姿を見て、目を見張った。なぜなら、あたしの彼氏が、クラスメイトの田丸綾香と一緒に手をつないで歩いていたのだ。それは偶然会ったというよりは、まるで恋人同士のように見えた。

 血の気が引くのが分かった。

「何か事情があるかもしれないけど、そうじゃないなら」

「うん。教えてくれてありがとう」


 昨日は家の用事があるからと言っていたので、あたしは彼と会っていない。

 あたしは教えてくれた友人に、礼を告げ、その場を逃げるようにして家に帰ったのだ。

 二人のうち、どちらかに聞くという選択肢を選ばなかったのは、真実を聞くのが怖かったのだ。

 そして、サイトにアクセスしたのが今。