「最後に教えて。なぜ、最後の選択肢を選ばなかったの? 最後の選択肢を選べば、あと二十年は生きられたのに。だったら、またもっとまともな男との出会いもあったと思わない?」

 二十年。あたしの寿命は自分で思ったよりも短かったと知った。

 彼女が何を言っているのかよくわかる。だが、あのときのあたしにとって、それがすべてだった。ショックなものを見せられて、消え去りたかったのだ。

「分かっている。でも、これでよかったと思う」

 うまく説明できる自信がなかったため、そう言葉を綴った。
 永和は不思議そうに首を傾げた。

「ま、いっか。じゃあ、バイバイ」

 永和の持っている巨大な鎌があたしの首に触れた。そこであたしの意識はぷっつりと途絶えた。