呆れた。

何が悲しくて正義の味方なんて幼稚な遊びしなきゃいけねーのよ。

それこそ昔の馬鹿な私みたいだ。

第一、高校生が簡単に世の中をどうこう出来るわけないでしょ。

変にでしゃばって将来お先真っ暗なんて、シャレになんない、笑えなさすぎ。

そういうのは大人に任せて、子供はそれなりに大人しく規則と義務に従ってた方が良いんだ。

革命だの正義だの下克上だの、くだらない。

昨日と似た日々が繰り返し続いてれば良いじゃん。

その方が楽だし楽しいよ。

誰も傷つかないし。

「す、皇 夕璃(すめらぎ ゆうり)!志川 朝妃(しかわあさひ)!田宮 琴乃(たみや ことの)!日ノ宮 愛李(ひのみや あいり)!」

ピタリと足が勝手に止まった。

昔、正義の味方ごっこして遊んでた友人達の名前だ……

なんで……その四人の名前知ってるんだ?

「ぜ、全員今TGGにいる子達よ。聞き覚えのある名前でしょ?せめて名刺だけでも受け取ってちょうだい」

息切れしながらも私に追いついた皆村さんが、名刺を強引に私に突きつけた。

「……何、脅迫?誘拐?だったら今度はコブラツイストかけるけど……」

パキンと指の骨を鳴らして脅しをかける。