あんたが公共の場でズケズケと呼吸をするように人のプロフィールを列挙するからだろーが!
なんで身長体重どころかスリーサイズまで知ってんだよ、気色悪い!!
ってか、私の攻撃を避けた……?!
何者なんだ、このオカマ?
オカマは驚く私にお構い無しに、プンスコしながら鞄から何かを出した。
「話くらい聞いてちょうだいな!ただのスカウトよ。ほらコレ見てちょうだい」
鞄から出されたのは、名刺。
『TG社長 皆村 作馬(みなむら さくま)』と黒地に金色の字で書かれてる。
それを貰ってしげしげと見るけど、こんなキャバ嬢の名刺みたいなド派手なの、どう信用しろってのよ。
「なんかのスカウト?……あいにく、芸能界には興味が無いんだけど。うちの兄がモデルやってるから、どうせならそっちに声かけて」
ナンパや芸能界のスカウトなら何度か声かけられた事あるけど、変なスカウトマンだから警戒しちゃったじゃん。
「芸能界じゃないわ。『TGG』へのスカウトよ」
「TGG……?」
なんだ、そのいかにも怪しそうなアルファベットの羅列は……宗教?
「TGG……あ、やっぱモデルかなんかのスカウト?だから私は芸能界は入らないし、そんなデカい会場に出ないしわけわかんない服とか着ないから」