スカウトされたあの後、皆村さんから『TGGは秘密の組織なの。TGGの仲間と警察関係の人間以外には知られちゃダメよ。例え家族やお友達でもダメ』と念を押された。
ヒーローもの特有のパターンだな。
さて、さっさと行こう。
……皆に、会えるかもしれないんだし。
貰った名刺の裏に書いてあった地図を頼りに歩くと、双子のように聳え立つ二つのビルがあった。
えっと、ここの右側で、四階か……
入口の自動ドアがシャッと開き、足を踏み入れる。
あれ、秘密の組織云々言ってる割にはセキュリティ緩くないか?
疑問に思いつつエレベーターに乗り込み、名刺に書いてあった通りに『4F』を押した。
チーン!
エレベーターの外へ足を踏み入れると、天窓から陽の光が差し込んでいる、白い壁に囲まれた空間だった。
そこに、一度見たら忘れられない派手な外見のあの人は待って立っていた。
「……こんにちは、皆村さん」
「あら、ちゃんと来てくれたのね」