……とは言ったものの、正義の味方ねぇ……

帰りのHRを聞き流して、シャーペンをくるくる回す。

あれから数日経って冷静に考えたけど、そもそも正義ってふわっとした表現だよね。

何が正しくて何が間違いなのかなんて誰にも分かんないのに、正しくしようとしてんだもん。

それなのにTGGのは正義の味方。

何をするのか、本質も分かんないまま引き受けるんじゃなかったかな……



キーンコーンカーンコーン……



ウジウジ考えてんじゃねぇとでも言うように、放課後を告げるチャイムが鳴った。

うーん、とりあえず今日は皆村さんにTGG本部へ連れてってもらう予定ではあるし、一回行ってから考えるか。

カタンと席を立とうとすると、蝶羽と亜希乃が私を挟み込むように両側から話しかけてきた。

「ねぇ阿弓、この後カラオケ行かない?」

「今学生割引でかなり安くなってる店見つけてさ~」

「あー、悪ぃ、私パス」

私は鞄を肩に背負って、親友二人に手を振った。