「じゃあね」
帰ろうとしてるみたいだ。
「……」
本当は、親に帰ってきてほしいわけじゃない。
ただ、親に自分が嫌われてるかもっていう気持ちがチクチクと痛いだけなんだ。
多分、この感情を解決すれば、私は胸を張ってやっていける。
このチャンスを逃したら、きっと私は一生グズグズやってるつまんない人間になる。
……よし。
「皆村さん!!」
涙を手の甲でぐいっと拭い、遠くなった背中に声をかける。
金髪がふわりと揺れ、皆村さんが優しく微笑んだ。
「なぁに?」
私は人気の無くなった駅前で、大声で断言した。
「私、強くなりたい……!TGGに、入れてください!!」
もう一回やり直せるなら……私は昔のように戻りたい。
これは、神様か旧友がくれた、自分を変えるチャンスなのかもしれない。
だったら、逃さないでちゃんと掴み取って、新しい私に変わる!