「それ空手関係なくない?!ただの喧嘩よね?!じゃなくて、違うのよ!彼女達から貴女を推薦されたの!」
「え、推薦?」
「そう。あと一人くらいメンバー増やしたいって言ったら、榊 阿弓をぜひって」
「……」
驚いた。
本気でやってるのか。
今も、昔を忘れないでいるのか。
昔出来なかった事を、今やろうとしてるの?
「えーっと、『ジュエル・ガーディアンズ』だったかしら?」
「なっ……」
なんでその組織名まで知ってんだ!!
小学生が付けた、ただかっこいいと思うそれっぽい単語並べただけのダサいグループ名だぞ?!
でも皆村さんはからかうようには笑わず、優しい目で私を見てる。
「今なら、出来るでしょ?どう?」
なんとなく目を合わせられなくて、まだ手に持ったままの名刺を見つめる。
「……で、でも、私高校三年生だし、進路とか真面目に決めないと……」
「ねぇ、阿弓ちゃんの言う真面目って、結局なんなの?」
え?
「大人が決めた事をそのまま受け入れてやる事?世の大半の人が通常行く道を辿る事?それ、つまんなくない?」