ゆうは、飯食ってる時も休憩してるときもずーっとナナちゃんのことをひたすら俺に話し続けた。口を開けばナナちゃんナナちゃん。一言目にはナナちゃん。二言目にもナナちゃん。
耳にタコができるくらい短時間でナナちゃんと言う名前を聞いた。正直もぅうんざりだ。
しかも、ゆうのせいで俺までナナちゃんについて詳しくなった。
散々写真は見せられたから、ナナちゃんの顔も車ももう頭から離れない。歳は俺らと同じで、住んでるところも俺らの隣の市。以外に共通点が多い。好きなものはバイクと車とラーメン。
…正直俺からしたらどうでもいい情報を俺はありったけ頭に詰め込まれた。

そんなこんなで夜21時、俺らはミーティング会場に到着した。
まだ早い方だと言うのにいつもより集まってる台数が多い。主催がでかいと流石にみんな気合い入ってんなー。なんて思いながら基本的に周囲に興味が無い俺は煙草をふかしながらゆうの後を着いていく。
俺らは別に目立ちたい理由でもないからいつもミーティングの時は1番端に車をとめる。
いつも通りゆうは車を端まで走らせる。そして俺もゆうの隣に車をとめた。


この時はまだ知らなかった。俺の代わり映えしない日常に終止符を打つ日が今日だって事を。