だるそうに起きあがって目をこする男の人。
寝顔も素敵だったけど起きてる時も素敵な人…
細いつり目でキリッとしていて高い鼻に
綺麗に整った唇。
綺麗。その一言につきる。

「聞いてる?」
「あ、すみませ…」
「…あんたのが寒そうだから着て。
ありがとう。」
「あ、ありがとうございます!!」
「いや、お礼言うのこっちだし
これあんたのだから」

なんて笑いながらいう男の人。
は…恥ずかしい…

男の人からブレザーを受け取ってまだ新しいブレザーに袖を通す。

「サボり?」
「え?」
「授業中じゃん。」
「あ…サボリっていうか…」
「ん?言ってみ?」
「…移動教室から教室に戻れなくなっちゃって…」

そういった瞬間に「ブハッ!!!」と吹き出す男の人。

「おまっ…は?迷子?校内でかよ…!!!
あっはははっ!やべー」

…めっちゃ笑ってる…
涙目だし、お腹抑えながらヒーヒー言ってるし…。
そこまで笑わなくてもいんじゃないの?

「笑わないでください!」
「ごめんごめん。ほら、座んな。」

ポンポンと隣を叩く男の人。
そういえば……

「名前。聞いてません。」