実際、その当時、火事は頻発していたらしい

木造の建物がほとんどだったから、無理もないんだろうな

家族を失った彼は、自分を責めた

自分の夜勤の時でなければ…

日頃から、早く逃げるように言い含めておけば…

自分が悪い、自分のせいだ、と。

自暴自棄に陥った彼は、同心の仕事を休みがちになり、剣術の稽古もぴったりとやめ、そして…

酒に溺れた

ある日、酒屋で飲みすぎ、泥酔した彼は、些細なことで通りすがりの武士と喧嘩になり…刀を抜いてしまった

そして相手に斬りかかり…

斬るつもりはなかったものの、手元が狂い、怪我を負わせてしまった

幸い、相手の傷は大したことなかったが、奉行所は大騒ぎ…