…いっとーさいだ

こいつが、私にかわって、門を閉めようとしている先生に向かって、訴えかけてるんだ!

先生の手が止まる

不審そうに、こっちを見ている

今だ!

飛ぶように!疾風のように!

門をすり抜ける!

セーフ!

一応、卑屈な笑顔を浮かべて「すいません
すいませんっ!」と頭を下げ、校舎に向かう

森の奥底の洞窟のように、ポカンと口を開けた先生たちを後に残して…

校舎に入り 、教室までまたダッシュ

そしてやっと…教室にたどり着いた

中から、ガヤガヤと騒ぐ声が聞こえる

…よかった。先生はまだ来ていない。

「いっとーさい!ありがと

もういいよ」

…バシュッ!憑依が解けた