呆気にとられているドライバーたちに心の中で謝りながら、私は何とか交通の激流を渡りきった。

さらに全力疾走は続く

『いっとーさい!私を殺す気?』

返事はない。

私を走らせることに、集中しているみたい。

筋肉痛が!痛いってのに!

あれ?この道順…

いつもの登校ルートじゃない。

『いっとーさい!道順、ホントに知ってるんでしょうね?』

『…近道…』

ええ?

そのうち私は…

空き地を横断し…

警察署の駐車場に侵入し…

民家の飼い犬に吠えられながら…

川の土手をかけ登り…