台所で朝食の準備をしている小さな後ろ姿に声をかける。

「おばあちゃん、おはよう」

「ああ、まこちゃん、おはよう。今日は早いねえ」

優しく、ニッコリと私に答える。

彼女は…平山政子、70歳。私の身元引受人だ。

血は繋がっていないけど、私のことを、実の孫のように可愛がってくれる。

食卓に座り、私達は向かい合って朝食を食べる。

「まこちゃん、何か心配事でもあるの?」

おばあちゃんが唐突に私に尋ねる

「ん?どうして?おばあちゃん?」

「ゆうべ、あんた、うなされとったみたいよ?うーん、うーん言うて」

昨日の悪夢…じゃなくて金縛り…私はそんなにうなされていたのか…。

「いやだなあ、おばあちゃん、大丈夫だよ!学校も楽しいし、おばあちゃん優しいしさ!」