胸が痛むけど…嘘をついてしまった

もう、この人に、嘘はつきたくない…

「いやあ、私えらい心配してしもて…
…それにしても、まこちゃん、あんた、体中ホコリだらけやないの?」

…しまった。

しっかりパタパタして、ホコリは落としたつもりだったのに

ホコリだらけの資材倉庫に、芋虫みたいに寝かされていた、なんて、とても言えない

「うんうん、あのね、文化祭の準備のあと、お友だちとお相撲取ってたの!あははは」

ああ、また嘘ついちゃった

おばあちゃん、ごめんね…

「あんた、もう、ほんまに大丈夫かいな…」

何とか、おばあちゃんの心配と疑いを沈めた私は、彼女が用意してくれていた晩ごはんを食べ、お風呂に入った

疲れ果てていた私は、倒れ込むように布団に転がり、深い眠りについた