私の方を見て、口をあんぐりと開け、驚愕の表情を浮かべている

茶髪の一人が、震える手で小型のビデオカメラを持っている

私はゆっくりと立ち上がり、仁王立ちになったまま、チンピラ4人組を見回している

逃げなきゃ!両手も自由になったし、目隠しのガムテープも引きちぎったんだから…

足を動かそうとする…動かない!

何してんのよ!逃げるよ!

男4人相手に、かなうわけがない!

ガタッ!乾いた音をたてて、茶髪が持っていたビデオカメラが床に落ちる

私は茶髪の方に、ゆっくり眼を向ける

男はビデオカメラを取り落とし、それこそ目玉がぽろんと落ちそうな位にカッと眼を開き、がくがくと震えている

私はゆっくりと足を踏み出し、茶髪男に歩み寄る