もう、外は薄暗い

梅雨の粘りつくような湿気の中、街頭を私は走った

みはらし公園は…この街と港が一望できる、山の麓にある

全力で走って、15分位だろうか

途中には、心臓やぶりの登り坂が待ち構えている

私は走りながら、マミの携帯に何度か電話をかけてみた

「…お掛けになった電話は…」

もう、あんたはいいから!

マミ!マミ!大丈夫?

一体何があったの?

無事でいて!お願い!

心臓やぶりの登り坂にさしかかる

日頃、運動らしい運動をしていない私は、文字どおり心臓が破られるくらいに動悸が激しくなり、足ももつれてくる

周囲はもう、真っ暗だ