そして…試合、当日…

早朝のジョギング、素振りを終えた私は、おばあちゃんと朝御飯を食べていたお互い、無口だった

「まこちゃん…」

「うん?何?おばあちゃん…」

「あんたを、引き取って、よかった…」

ポツリポツリと話す彼女

柔和な笑顔を浮かべている

「うん…」

片付けをして、おじいちゃんの仏壇に手を合わせる

「…おじいちゃん、行ってくるね!」

道着に着替え、竹刀と防具袋を担いだ

「行ってきます!」

ガラガラと引き戸を開け、一歩出ようとしたその時

「まこちゃん、待ちい!」

後ろから呼び止められた

おばあちゃん?

サンダルをつっかけ、家の前まで出てくる

「まこちゃん…頑張るんやで!」

「うん!行ってきます!」