これは…

霊?

レイカに取り付いているの?

私はしばらく、そいつから眼が離せない

何か、不吉なものを感じる

そのうち、そいつは「ピクッ」と身動きしたかと思うと…

ゆっくりと顔を動かし…後ろの方を振り返る

私は硬直したまま

そいつはやがて、私の方を見る

気配に気づいたらしい

眼を見た。しかしそいつの眼はない

空洞だ

底知れぬ、闇のような、深い空洞

私はその空洞を見つめる

そいつも、私から視線を外さない

『い、いっとーさい…あいつ…』

そして…

そいつの顔が、ゆっくりと歪んでいく

いや、よく見ると、笑っている