左足裏の傷口は塞がり、さらに分厚い皮膚が盛り上がってきた

うまくできてるな、人間の体って…

そんなある日…

授業中、予兆もなく、一刀斉が憑依してきた

『まこと…』

心の中で、話しかけてくる

『いっとーさい、ダメだって!
授業中だよ!』

答えない。いつもと様子が違う

憑依が、解けない

しかも…

眼球だけ動かして、私は体を見下ろす

青白く、淡い光を放っている

私の体は、ピキピキと硬直したまま

石像のように、黒板の前の先生を凝視している

『いっとーさいってば!』

『見える…』