手には、木刀

はい、帰ります帰ります

お騒がせ、しましたあ…

ところが…

イケメン剣士が私を誘導したのは、道場の中央付近

あれ?出口じゃないの?

追い出されるんじゃないの?

先程の少年が、そっと私に近寄る

何故か、木刀を、私に手渡す

「かたじけない…」一刀斉が、答える

木刀?何すんの、これで?

まさか…

『まこと…足袋を脱げ』

一刀斉が、心の中で、私に命令する

足袋?ああ、ソックスのこと?

何が何やらわからず、私は制服のソックスを脱ぎ、道場の端に置く

イケメン剣士と私は、木刀を右手に持ったまま、道場の端と端で向き合う