何やら、ミミズのような字が書かれた、いかめしい掛け軸が掛かっている

道場の奥から、なおも稽古の声、音が聞こえてくる

「ごめんっ!

た!の!もおおおおっ!」

今度は、地響きがするような雄叫び

…私、こんな大声、今まで出したことないのに!

奥から、人が出てきた

道着を来た少年…

見れば、まだ中学生位の、ほっそりとした男の子だ

その少年に、私(一刀斉)は深々と一礼

少年も、一礼を返す

「拙者、通りすがりの者…
道場主殿に、お目通り願いたく…」

はあ?

何いってんのよ、いっとーさい!

いきなり押しかけて(しかも道場に!)