「マミ、あんた…」

「…いじめられるのは、私だけでええの!
お願いやから、もう、ほっといて!」

言い残し、走って教室から飛び出していくマミを…

私は追わなかった

いや、追えなかった

もう、何も考えられない

考えたくない

何もしたくない

夕暮れが近づいている

グラウンドで部活動に汗を流している連中も、帰り支度を始めている

動きたくない

どこにも、行きたくない

ピキピキ…ピキ…体が硬直する

ああ、いっとーさいか

もう、いいよ…

気がつけば…私はカバンを持って、正門を後にしている