「遅かったな」



「あああああ、腹立つ……!」



「……ぶはっ。ばかじゃねーの」



「ああん? ばかはお前だコノヤロウ……!

俺らが連絡入った時、どんだけ焦ったと思ってんだよいい加減にしろ!心配かけやがって!!」



怒鳴られて、その内容に目を見張る。

焦った、って。心配、って。……そんな。



「……大事でもねえのに長い付き合いになるわけねえだろ」



呆れたようにいつみがそう言うから、なんとなく安心してしまった。

……俺にも居場所、ちゃんとあるんじゃねーか。




「……、悪かったよ」



「………」



「今日のことも……あの時も。

あと、いつみ。胸ぐら掴んだりして、悪かった」



あの日からもう1年以上経つ。

なのに変わらず心配してくれてたなんて知ったら、素直に謝るしかないだろ。



「……素直だとそれはそれで気持ち悪いな」



「はあ!? 俺が素直に謝って、」



「冗談に決まってるだろ。

お前に胸ぐら掴まれたことなんかねえよ、お前の勘違いだ勘違い。だからそのポンコツ脳を1年で復活させろ。……お前は、やればできるだろ?」