「た、すけて…」

小鳥の囀りのような小さな小さな声。きっとそれは深夜二時の透明な空気でなかったら聞こえることのなかっただろう。

ほんの僅かに聞こえる声を目印に、俺は慌てて声の主を探す。


た、す、けて…公園の嫌に眩しい街灯に照らされた儚く小さな少女の姿。

俺は一目散に駆け寄り伸ばされた小さく折れてしまいそうなほど細っこい手を握りしめた。

「大丈夫、大丈夫」