そして、コンサートも最後の曲になった。




勝利君は私に気づいてないみたい。




けど、良いの。



そう言い聞かせた。




すると、勝利君が突然ステージからいなくなった。



曲だけが流れる。



会場は騒然となった。




すると、「俺ここにいるよーー!!」



と言う声が聞こえた。



近く。




うーんと、近く。




後ろを見ると、





勝利君が後ろのドアの前でスポットライトに照らされていた。




そして、曲を歌い出した。



勝利君...





その距離はわずか1m。









気づいて...








やっぱり気づいてほしい。









勝利君...これがホントの気持ちです。








勝利君...










すると、神様は私を見捨ててはいなかった。












勝利君がこっちを見てくれていた。










時が止まったみたいだった。







勝利君...










勝利君は私を見ながら歌ってくれた。












最後の曲。













私は嬉しかった。













でも、私は一瞬だけど見逃さなかった。













勝利君が口パクで言った言葉。















「管理棟3階」