テレビを見ながらもくもくとオムライスを食べる陸君。




美味しいかは聞かない。そのスプーンが止まらずに動いているから。





ほんとムカつくし、意地悪だけどたまにはこういうのもいいかな…なんて思った。




｢…美味かった｣




食器を片付けながらキッチンに来た陸君がそう言った。




｢…よ、よかった｣




そんな素直に言ってくれるとは思わなくて、それしか言葉が出てこなかった私の頭をポンポンとタップしてリビングを出ていった。




ありがとうと言われてるみたいで、私は明日から毎日作ろうかな、なんて気になってしまう。