━━キーンコーンカーンコーン

幸い、チャイムと同時に教室に入ることができて遅刻は免れた。

そして何事もなかったかのように朝のホームルームが始まる。

「えー、明日から夏休みですね。前回の期末テストで欠点が一つでもあった者は、補習を受けるように」

すると、なぜか先生はわたしをカッと睨んだ。わたしが優秀じゃないからだと思うけど。じゃないとしたらいじめだよ。

あぁ、すっかり忘れていた。

明日から夏休みだっていうこと、完全に忘れていた。

わたしは前回の期末テストで欠点を二つ取ってしまったのだ。

一つは理科。今回の範囲がわたしに合うものではなかったから。もし空や星に関係するものであれば、満点なんて楽勝だった。これは言い訳にすぎないけどね。

二つは技術家庭科。この教科は、テスト勉強を一切しなかった。だって学ぶ意味なんてないじゃないか。少なくともわたしに、今後役立つようなものはないし。

補習なんて毎年受けているから慣れているんだけどね。そんな慣れ、きっと必要ないのだろうけど。