まさかな?
まさか昨日の卵が…
いや、だってほら、オレ種族わかんねえし?
種族の頭的存在ってことはまず有り得な……
頭が異様に重い。
何かが乗ってるみたいだ。
近くにあるガラス張りの壁で全身を見てみた。
オレの頭の上に乗っているエメラルドグリーンの瞳の物体。
薄い水色の毛で身を包んでいて、背中には小さいながら羽。
長いしっぽ。小さな角。まだ生え揃っていない牙。
ゆっくりと頭から下ろしてみた。
"キュピー"
「おわっっ!!ど、ドラゴンっっ?!」
間違いなくドラゴンだった。
「あの卵はドラゴンの卵だったのか…ってか、さっきの男が言っていた話が本当なら、オレは何かの種族の頭…」
やべぇ。何か間違ってる。
これは夢だよな?
オレなんかが種族の頭とか…
ガブっ
「いてぇっ!」
ドラゴンに指を噛まれた。
「夢じゃなさそうだな…くそ、これからどーすっかな…」
"キュ?"
「あっ!待てよっっ」
急にドラゴンが走り出した。
オレもその後を駆け足で追う。