ユートラル大陸に着いた時に驚いたのが、街の広さだ。

「広いなー。スガル島の何倍あるんだろな」

街を見渡していると、遠くに大きなドーム状の建物があった。
そこからは歓声などが聞こえてくる。

「やー兄ちゃん。大会の選手かい?」

後ろから金髪の男が話かけてきた。

「いや、オレは旅してるだけで…」

そういうと残念そうに『そうか』と言った。
なんか悪い気がして、あの大きな建物は何か聞いてみた。
すると嬉しそうに話始めた。



「あれはユートラル大陸最高レベルのバトル競技場だ!
いろんな種族の人が闘い競い合うんだ。
種族別の大会もあるんだが、中には種族混合バトルもあってな。苦手なタイプが当たったり、逆に得意なタイプだったり…
とにかく面白いんだよな!!」

熱く語り出したから、途中で抜けられなくなり最後まで聞くことにした。


「種族には、緑族、炎族、水族、地族、雷族の5種類あるんだ。
でも噂によると、それ意外に2つ珍しい種族があるらしい…まぁ噂だから無いかもしれないけどな」


ますますヒートアップしてきた金髪の男。


「んでもって何とも言えねぇのが、種族の頭が持つドラゴンさ!
急に卵が降ってきて孵化するらしい。誰の主になるかは、ドラゴンと神様が決めるという話だ。
そのドラゴンがいるってことは、その種族の頭ってくらい強いらしいぜ!
俺もユートラル大会で1回だけ見たけど、圧勝だったな!すげぇ強くて誰も適わなかった。
俺にも卵欲しいー!!」


「へぇ、卵ねぇ…」




卵?

急に降ってくる?




「あーーっっ!!!」

オレは勢いよく叫んでしまった。

「ど、どうしたんだい?」

「アンタありがとう!んじゃっ」

「お、おーいっ!」


オレは人通りの少ない場所に来た。
気持ちを落ち着けたかった。