これからの事を考えながら、自分の家に着いた。
ドアを開けて中に入ると、天井に穴があいていた。

「…はっ?なんで穴が!?つか、誰かいんのか?」

剣を取り出して、ゆっくりと部屋に入る。
するとベッドの上に何かが…。

「…たまご?」

そこには青い卵があった。

「なんで天井から卵が…?ったく、バケモノが空から降ってきたり卵が降ってきたり。
そんなんじゃなくて金でも降ってくりゃいいのに」

しばらくしてそれは有り得ないと突っ込んでから、卵に近づいてみた。

「あったけー…もうすぐ生まれるのか?」

卵は少し大きくて、持ってみると重量感はあった。

「何が生まれるんだろな。とにかくコイツも持っていくか。ちょいと重いけどな」

荷物を整えて、オレは眠りについた。






早朝。

オレは荷物を持って家に鍵をしめた。それからその鍵をじっちゃんのポストの中に入れた。

さて。まずはいろんな種族が集まる『ユートラル大陸』まで渡るか。

イカダでも作るか?でもなぁ…
朝早くから悩んでいると、漁をしにきたユーリの親父さんがオレを見つけた。

「アル、今から出発かい?」

「親父さん!今から出発ー…だけど、どうやって海を渡ろうか考えてたんだ」

苦笑いしながら言うオレに、おじさんはユートラル大陸まで送っていってやると言ってくれた。

「マジすか!最後の最後までお世話んなって…」

「ユーリが剣の練習でお世話になったからな!
それに昨日は村を救ってくれた。これくらいお礼させてくれよ」

満面の笑みで、そう言ってくれた。




船を出してくれてしばらくしていると、だんだんとユートラル大陸が見えてきた。

それからすぐにユートラル大陸の港についた。

「アル。無茶はすんなよ」

「ありがとう。ユーリに"また会おうな"って伝えてください」

「わかった。元気でな」

「親父さんも元気で!」

そう言ってユーリの親父さんと別れた。






オレの旅はここから始まる。