「どうなってんだ…?」

村に着いた時には、ほとんどの家が焼かれていた。

「アル!ユーリ!無事だったか!」

「おとーさんっ!」

ユーリの親父さんが、焼かれた家の隙間から出てきた。

「親父さん!これは一体…」

「わからん…しかし空から急にバケモノが降ってきて、村を炎で襲い始めたんだ。
何人かが村長の家にいるバケモノと闘っているが、人手が足らない…アル、助けてくれっ!」

オレはユーリを親父さんに預けて、じっちゃんの家に向かった。



じっちゃんの家が見えてくると、家の前でデカいバケモノがいた。
オレの何十倍の大きさで、村人が闘っているが苦戦している。

「アル!きてくれたかっ」

「剣の練習に付き合ってたけど、飛んできた。怪我人は!?」

「数人火傷しているみたいだ。このバケモノ、弓や剣でも全く効かないんだ」


バケモノは腹が立っているのか、大きな腕をつかってオレたちに殴りかかってくる。
村人は避けるのが精一杯だった。

「オレの剣も効かないのかっ?」

攻撃を避けながら、バケモノに近づいていき、剣を勢いよく振り下ろした。

"グァアアアッ!!"

「効いたっ?!」

剣はバケモノの胸を貫き、すかさず空中で蹴りをいれてバケモノを倒した。



「やったぞ!」

「助かった!」



アルは地面に足をつけると、周りに村人が集まってきた。
暫くすると、何事にもなかったようにバケモノは消えていった。
剣がほんのり蒼光していた。