そうか。おにぎりラブレター。
 あれを残したまま死んで、咲良自身ひどいことをしたと悩んだに違いない。



 俺は自分のことしか考えてなかったな。




「もちろん願いは叶えられる。しかし彼女は霊体。代償として払えるものが少なくてな。だから条件を付けた。その条件も、一ノ瀬咲良が考えたもの」




 俺は想いを告げないという代償。
 咲良は幽霊だ。何を代償にしたんだろう。




「条件は、雨宮亮が一ノ瀬咲良の死を受け入れ、自分の道を歩き始めた時に幸せが訪れる、というものだ」

「俺が? 俺の行動が条件?」

「こうして一ノ瀬咲良との契約は成されたが、今度は雨宮亮が公園に現れて契約することになった。少しややこしいことになったのは事実」




 姫巫女のため息がそれを物語る。
 俺も頭が混乱する。何がどうなっているのか。