「ワラワはお主の願いを叶えた。だが、その前に一ノ瀬咲良とも契約した」

「……え。え?」




 突然入ってきた情報。
 胸を鷲掴みされたかのような苦しさに返す言葉が見つからない。




「本人は覚えておらぬ。何せ、死んだ時のことだからの」




 姫巫女が咲良の顔を見る。なぜか嬉しそうに眺めていた。




「咲良が俺と同じように、願いを叶えたのか?」

「そうだ」

「説明しろ」




 願いを叶えることの苦しさを知っている。
 叶えた先にある螺旋にただ流されて、自分自身だけでなく周りを不幸にしてきたんだ。



 悪魔だ。1番守りたいと思っていた咲良と契約していたなんて最悪。
 姫巫女の奴、本当にどうかしている。