恋って一体どんな味?
「あーあみんな服汚しまくりだよ…」
「洗う方の身にもなれっつーの!
ねえ?美波」
「いいなあー私も恋したーい」
「え?なんだって?人の話聞いてる?」
「なんかさー雑誌の恋愛特集
とか読むと羨ましくてさー!
恋したことないから〜」
「なんてったって今日から
泊まりで合宿だよ!
恋がうまれることがあるかも〜」
「えー。
こんな汗くさい洗濯物に
囲まれててどううまれんの?」
チョコレート、ショートケーキ、
いちごのアイス… きっとそれくらい甘くておいしくて
一口食べたらとまらない味
なんじゃないかな♪
「じゃ私夕食当番だから行くね」
「うん!行ってらっしゃーい」
「マネージャー!!」
「あ!は〜… ぶっ!!??」
ばさっ!
「ついでにそれも洗っといて」
「ちょっ!海智!もー汚い!
汗くさいしっ!」
「おいっ〜臭いとか言うなー」
「ホントのことだもん!」
「つーか汚れたもんを洗うのが
マネージャーの仕事だろっ
文句ゆうな!」
海智ってば口うるさいんだから…いっきに現実に引き戻されたじゃん
「ごめんね美波チャン…これもお願いしてもいいかな?」
「司くん!司くんだけだよ
優しいこと言ってくれるの〜〜」
ガリっ! ゴリっ! ボリボリ…
「ああー海智!それあたしのアメーしかもなんでバリバリ噛むのー!?」
「クセなんだよっ!」
「じゃあ美波チャンよろしくね
あと海智!女の子あんま
イジメちゃダメたよ??」
「別にイジメてる訳じゃ…」
わぁーやっぱ優しいなあ〜
「司くんとなら恋してもいいなあ☆」
「はあ!?」
「こ…恋!?…っておまえまさか!?」
ピー
「あ!終わった〜」
ぬぎっ
ぎょっ!?!?!?
「わーおまえ何してんだよ!?」
「え?コレもついでに
洗っちゃおーかと思って♪」
「そーじゃなくて…っ
男の前でんな格好すんなよ!」
「ええ?ただのキャミだよー?」
「―――だからっ思春期の男が何考えてるか考えろよなっ!」
「えーアハハ別に海智のこと男とか思ってないし海智だってそうでしょ?」
「俺はー…っ」
ぐいっ! ちゅっ
ーえ? なに?
「だから…こーゆこと考えてんだよ」
今のって…
「………っ」
キス!?
「ぃやーーー!!」
どんっ!
「なんでそんなことすんのよっ!
バカっ!!」
だっ!バタバタバタバタ…
「……っ仕方ないだろ…」
うそ…うそ なんであんなこと!?
なんか甘い味がした
海智の食べてたアメの味…
キスってあんなかんじなんだ…
はっ!
「キャーちっがーう!」
ファーストキスは甘い雰囲気で
したかったのにー!!!!
海智のバカー!!
「何してんの?丸見えだよ?
昨日の夕方からおかしいよ?」
あっ!いたっ
ドキっ
昨日のアレ以来
「美波あたしタオル取ってくんね。
聞いてないだろうけど。」
海智も男なんだって
ハッキリわかったっていうか…
なんかすごく意識しちゃうんですけど…
「マネージャー!ロスタイム何分?」
「あっゴメン忘れた!」
「ええっ!?」
「ねぇこのドリンクぬるいんだけど…」
「あ!ゴメン冷やすの忘れてた…!」
「ご…ごめんなさい…」
「まあまあ」