ガタンゴトン

駅が近くにあるため、電車の音で目を覚ます。

今日から高1の春が始まる。

ベッド上でぼーっとする。
(ねむい...)

ドガドガと階段を登る音がする。
(ん、、)

ガチャ
「結」
「悠兄...」
「起きてんならはやくして。ご飯食いたいんだけど。」
島田悠、高校3年、兄。
言うことはほとんど冷たいけど、優しい兄。
「ごめん、」
謝ると無言で扉を閉めた。
「はー、がんばろ」

.....
なんだかんだで支度を終わらし、家を出た。
電車は歩いて1.2分だから、ギリギリにででも間に合う。
階段をおり、電車を待つ。

「結、おはよ」
「雫...。」
坂下雫、私の親友。
この人も何考えてるかわからないけど、居心地がよすぎる。
「リボンは、」
「忘れた。」
「いつもどうりだね、雫。」
すると雫は遠くを見て、
「高校、楽しみだね。」
「ふ、そうだね」
雫はニヤリと笑いだし、
「あんたはちょっと憂鬱だと思うけど」
首をクイッと動かし、私に言った。
「え?」
後ろを振りかえると、
「なおくん...。」

私の忘れられない人、だ。