「えっ。」


「兄貴。まだ好きでしょ。姉貴のこと。」


貴くんの誘導尋問にたじたじ…。


本当は今日、こうなるはずだったのかなぁ…。


「姉貴待ってますよ。もし姉貴のこと好きなら助けてやってください。今怖くて動けないだけですから。」


「助けてやりたいよ。」


「でしょ?でしょ?だから自分で結婚するのためらってるんでしょ。」


「そうだよ。まだ好きだよ。諦め切れてないよ。」


貴くんのニヤリとした顔が見える。


こいつほんとに年下か?


「好きだって言ってないんですよね。姉貴に…」


「うん…。」


「言うか言わないかは、兄貴が決めることだけど、一生に一度しかない人生と思ったら、勇気出ませんか?」


一生に一度しかない…。


ココロに響いてくる言葉…


「だから、今日僕を呼び出したんですよね。久々に会ったのにこんな話ですみません。」


頭を丁寧にさげる貴くん。


「いや、謝るのはぼくのほうかも…。目が覚めたよ。」


今貴くんに言われて、ようやくはっきりしたよ。


僕が向かおうとしてるところは間違ってないっていうこと。