「貴くん…」


「僕は兄貴といる姉貴がすごく好きだった…。楽しく笑ってて。」


「そうと言われてもあの時は…。」


僕はなぜかどきどきしている。
責められている気がして気持ち悪い。


「僕、兄貴と姉貴が何したのかとか、ぜーんぶ聞いてるんですからね。本人から。」


「でぇっ?!」


貴くんがニヤッとする。


「姉貴は嬉しくて喋ってしまうですよ。のろけ話は聞きたくなかったけど、幸せそうに言うんです。」


そうだったのか…。


ってことは、あんなこともそんなことも喋っちゃってたのかなぁ…


だんだんと恥ずかしくなってきて耳が熱くなる…。


「今更照れないでください。」


「でも神村さんとのことは一切喋りませんでした。ショックの方が大きいよ。あれ。」


「ギャップが激しすぎる…。なんで一緒にいてあげられないんですか。」


貴くんが声を荒げる。


「弟の僕がいうのも、変だけど、姉貴のそばにいるのは兄貴しか考えられませんから!。」


貴くんの物凄い迫力におされる。


お見通しって顔しないでくれよ。


「兄貴。なんでまだ結婚しないんですか?」