混乱する空気をさくようにケータイが鳴った。


左手で心臓を叩きながら、僕はケータイを右手で開く。


理緒だ…。


ホッとした。


自然と左手の握り拳が力を抜く。


「先輩、ごめんね。さっきひどいこと送ったよ。早く結婚すればいいじゃないですかって。そうじゃないんだ。」


理緒…


どうしたんだろう。


ぼくはすぐ返信する。


「大丈夫だよ。気にすることないから。」


「ちがうの。本当は結婚なんてして欲しくないの…。あはは~(笑)何言ってるんだろうね~。わたし…」


僕のココロが寂しくなるのやめてた。


僕は、本当は君と一緒に居たいよ。


それは決して神が許さないと思っている。


愛してしまいそうなくらい、まだ愛しい。


いつも気になって仕方がないよ。


この気持ちは伝えるべきなのか…?


どうなのか…。


伝えたら何もかも壊れてしまう。


僕には…わからない。


誰かにぶっちゃけて相談しようものなら否定されるだろうし、


かといって中途半端な気持ちを理緒に伝えても理緒が困るだけだ…。


目をつぶるとアブラゼミの声が聞こえる。