どうしてあの日…私は神村を家にあげたのだろう…。


今先輩を目の前にして、思い出そうとしてる自分がいる。

神村が居ない今しかないと思う。言うなら今かも…。


神村は一言で言えばあまり親の愛情を受けてない子として育ったようだった。


私は部室で荒れたり思いやりのない様子みたりする度、彼を同情してしまったのだと、今は思う。


現に、神村が旅行に行こうが何しようが、なんとも思えない。ココロが冷めているのだから…


ここまで私何して過ごしちゃったんだろう。


私のココロの時間は神村に無理やりされた時から止まってる。


涙でそう…。


変わってない私だけ…


日々変化していく子供たちを見つめる度に、私は何も変わってない。


―これを誰かに見せたら何か変わるかもしれないよ。


貴が言ってた。


貴にこれを見せた時、あの子はとても怒って、その場で飲んでたサイダーのスチール缶を握りつぶした。


―姉ちゃんをなんだと思ってんだよ。神村家に貸し出してんじゃねぇよ。


そんな言葉を思い出して、強く変わりたいと思った。


今からでも遅くないんだ。