僕は思わず抱き締めてしまっていた。


「死にたいなんて言わないで。」


そしてまた驚いた。


少し華奢で小柄な体型は昔と変わらないとは思っていたけど…


明らかにやせすぎである。


上半身はガリガリ…


理緒ちゃんがうろたえたように僕を突き放す。


「う、うわぁぁぁん。」


「理緒ちゃん…。」


声を上げて泣き始めて、ときおり、ガクガク震えて、見ていられない…。


「僕は彼氏として守ってあげられなかった…。」


泣いている君にこんな言葉しか言えない僕が情けないよ。

一層理緒ちゃんの涙は止まらない。


突き放されても良いと思った。

だから、思いきり理緒ちゃんを抱き締めた。


「ごめん。理緒ちゃん。ごめんね。本当にごめん。」


「…せ…せんぱぃは…なぁにも…ッ…悪くないっ…悪いのは神村にさかっ…逆らえなかった…私です。…ぅっ。」



必死に答えようとするけど、声になってなかった。


そのまま落ち着くまで僕は背中を擦ってた。


「理緒ちゃん…。ちゃんと食べれてるのか?」


僕の問い掛けに腕の中で理緒ちゃんは小さく首を振った。

「食べても戻してしまう日か多いんです。」