「白黒ど～っちか。」


理緒ちゃん吹っ切れてんな～。


普通愛があるなら取り乱すよ。これ。


「申し上げますがクロです。」


恐る恐る理緒ちゃんの顔を見る。


理緒ちゃんは笑っていた。


しばらくお互い黙ってた。


僕が何も言えないだけだったのだけど。


そんな空気のなか理緒ちゃんは不安な顔を見せた。


「あ…。あの、先輩？」


「何？理緒ちゃん。」


思い詰めた顔して、どうした？


「さ、沙空さんは…？今日はデートとか…。」


僕はギクッとした。


取りあえず今日あったことを話した。


仲直りしないのかって言ってくれた。


君を見てたら、仲直りどころじゃないよ。


心配で心配で…


沙空にフラれても落胆したのは一瞬だったし…


僕は核心に振れたくて必死。


「これを承知で旅行に行かせたの？」


コクンと理緒ちゃんはうなずいた。


話を聞き出しはじめたら、今までの愚痴を吐くかのように次から次へと奇行が、並べられていく。


怪しい行動はバレバレなのに、神村自身はバレてないと思っているそうだ。


可哀相すぎる……。