「神村先輩に、よく絡まれるんです。しつこくて…」


しつこい?


それって、理緒ちゃんのことが好きなんじゃないのか?


でも、理緒ちゃんは嫌がってるし、付き合うことはないよな…。


「それにしても毎度顔出す度に窓がきれいになっているよね…。」


「多分明日もきれいになってるかな…」


「そっか…。理緒ちゃんが入部してくれた時は嬉しかったんだけどなぁ。そんなんじゃ怖いでしょ。」


言ってからハッとした。


僕が喜んでも変じゃないか…

下ゴコロ見え見えだよ。


いくら高校生とは言え気付かれてしまうのはこの先困る…。


でも理緒ちゃんは笑ってた。

バレバレかね…


「私、晶則先輩と一緒に活動したかったです。」


「えっ。」


僕は自分が勝手に口から嬉しいと言ってしまったことにどきどきしてたのに、その上一緒に活動したいと言われるなんて、思ってもみなかった…。


「陸上部にいられるのは、晶則先輩が遊びに来てくれるからですよ。」


「またまた~。おじさんをからかってはいけませんよ~。」


照れて自分が空回りしてるのがよくわかった。