そう言って新しい子供部屋に来てみてまず僕がびっくりしたのは、絵本の冊数だった。


みかん箱サイズが2つ…。


そしてしばってある束が3つ…。

ざっと計算しても500冊はくだらない。


ひょえ~


これは晴夏ちゃんがすがるわけだ…。


ざっと手を入れて、確認する。

「この本は鳥さんが仲良しの本。いつも一緒。」


晴夏ちゃんが一冊一冊解説を入れながら、本棚に挿していく。


こりゃ時間がかかりそうだな。


「僕もてつだう~。」


奏太くんも本を床に並べ始める。


あはっ これは見やすい…。


んなこと思う前に本を整頓整頓。


ふと一冊の絵本が目に留まる。


“うさぎのくれたバレエシューズ ”


かわいらしい字で


理緒の名前が書いてあった。


自分の絵本を子供達に読み聞かせてたんだ~。


綺麗に取っておいて…。


僕はその字を指でなぞる。


「いまいりお…」


僕が大好きな名前。


「これはうさぎさんがお靴をくれるんだ~。」


僕の手から本を持ち上げて晴夏ちゃんが手際よくしまってくれる。