「晶の投資の教科書、とっても役に立ったんだよ。むしろあの本のおかげで慎重にできたのかも。」


理緒がホッとした表情で僕を見上げる。


「僕は理緒が凄いと思うよ。」


「まったまた~。」


そう言って僕の肩を軽く叩いた理緒の顔はココロなしか淋しげな顔をしていた。


どうした。


まだなにかあるのか?


「あのね、晶…。私決めたことがあるの。」


決めたこと?


深刻なこと?


僕が返事に困って、黙っていると


「あ、いいや。今は言うのはやめとくょ。引越し完了してから言いますね。」


「えっ?!どっちよ。」


気になるけど…


僕は妙な胸騒ぎがして仕方ない。


この嫌な予感はなんなのだろう…。