あの時、彼女は僕と目を合わせてくれなかった。



一言挨拶してくれただけ。



僕のココロはすぐに苦しくなってた。



笑ってよ。笑顔見たいよ。



目の前にいる彼女のほうが沙空より大切だったと自覚した瞬間。



まだ好きだって再確認してしまった。



口数も減って寂しくて、どうしようもなかった。



沙空には「元カノちゃん?」と気付かれる始末だった。



隕石が僕を頭から押しつぶしてきたようなそんな感じ…。



自業自得だけど僕が、そんなことを思い出していると、



「今日は…っていうか今はいつもノープランですね。それが一番私に等しいです。」



ぽつりと彼女が呟いた。



それが僕に向けての言葉であったのかどうかすらわからない。



「ただ、目的もなくここまで適当にきちゃったかも…。私…」



そう言いながら彼女の目からはたくさんの涙があふれていた。



突然泣き出した彼女に気がついた数人のお客さんも驚いている。



一体どうしたの…。


僕を見つめていた瞳もココロなしか、いつものように不安げな様子に変わった。