「さ、写真とケータイをしまっちまおう。」


部屋を片付けて、理緒を寝かさないと…。


「まさか、兄貴。このまま帰っちゃうんですか?僕なら泊まりますよ。」


貴くんが意味ありげな顔をして僕の顔を見る。


「ほぇ?」


僕は、不意打ちされた猿みたいな声を出してしまった。


「これで理緒が起きる前に神村が帰って来て、僕がいたらまずいだろ…。」



「それもそうですね…。」



しばらく、貴くんは考えていたようだった。



すぐに名案が思い付いたらしく、ポンと手を叩き、テーブルを部屋の隅に片付けはじめた。


「僕も泊まります。もち日菜もいいよね。」


一瞬、日菜ちゃんは驚いてたけど、すぐうなずいて貴くんを手伝い始めた。


「この家も僕にして見れば勝手知ったる我が家ですから。このソファー、ベットになるのですよ。」


「へぇぇぇ。知らなかった…。」