そして貴くんも、


「てゆうかね、諸悪の根源は神村さんだって分かり切ってるからこんなに盛り上がっちゃうわけですよ。」


と、ハッキリ言うところがまたすごい。


「姉貴がきちんと気持ちを伝えられれば言いことでしょ。」



貴くんの力説にうなずくのは、僕と日菜ちゃんだった。



理緒は不安げな顔をしている。


「大丈夫だって。すぐに落ち着くから…。兄貴も僕らも味方だよ。一人じゃないよ。」


優しく貴くんが理緒に語りかける。



貴くんと僕は同じ気持ち。



「お姉さん。私遊びに来てもいいですか?子供たちにも会いたいです。」


日菜ちゃんも貴くんもとても僕より年下とは思えないくらいしっかりしている。



この子たちが、結婚したらいい家庭になっちまうだろうなぁ。


理緒の背中を擦りながら、



「理緒。僕もすぐに飛んでこれるから。安心して…」



と、僕が言うとほっとして涙を流していた。



そのまま僕にもたれかかって寝てしまった。